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天真爛漫
2023年1月10日
親というものは、やっぱり子供には天真爛漫な感じで、いい感じに育ってほしい
って思ってるもので、そうやって育てられた純骨は
人の何倍も飯を食らい、こと遊びに関しては、中等部にいる頃から遊郭や賭場の
常連で、
『コッチャン、今日の調子はどうだい?』
なんて、街を歩くと先々で有象無象に声をかけられるほどの天真爛漫っプリで、
彼の周りには常に沢山の人だかりができていた。
身の丈は、2mをゆうに超える長躯でいつもみんなのことを、天真爛漫な感じで
見下していた。
そんな彼もアラフォーになりました。
ある日、蒸気機関車に乗った純骨は
『シュッポー、シュッポー、シュッポー、シュッポー、シュッポッポー』
とか言いながら、有象無象を引き連れて車内を走り回ってて。
新婚旅行に向かう若夫婦、孫に会いに何時間も揺られて疲れ切っている老婆
などなど、沢山の人たちが彼らのことを
虎河豚のはらわたを食らった時のような苦々しい顔で見つめるなか、
列の先頭にいる純骨は、放屁したいな〜って
天真爛漫な感じで考えていて、脳内で考えすぎて何回目かには
『放屁したいな〜、放屁したいな〜、放屁したいな〜』
って、声に出して言っていました。
そう、天真爛漫に。
次の駅に着く合図の汽笛が鳴るタイミングまで待って、なんて
おしゃれなシンクロを狙っていた純骨は
『我慢、我慢、我慢、ガマン、ガマーン』
って、また声に出していたので周りの乗客は勿論、列を連ねている有象無象も
いや〜な気分で彼のことを見つめていると、
『見るな、見るな、観るなっ。』
って駄々を捏ねだしたので、見ないでいるとそこに彼の姿はありませんでした。
つづく